職人

店にパンを卸しているパン屋がある。パン屋といっても店を構えているわけではなく、いろんな店に卸して販売している個人経営のパン屋である。
そのパンはイースト菌でパンを膨らませるのではなく天然酵母で膨らましているパンであり食材もオーガニックのものを使用し安心して食べることができるし、味も定番の客がつくほど。
しかし、やる気があるのか判らない不定期すぎる納品と、頑固とは違う間違っているように思う傲慢的なその販売方針に、店の者の販売に対する思いと幾つも食い違い幾度となく双方の意見が対立していた。
お互いの意見ともに一理あるとは思うが、客からしたらやはり新しいものが欲しいし、「選ぶ」ということが買い物の上で楽しみの一つでもあると俺は思う。
だから、そのパン屋さんがいう残っているから納品しないという意見に対しては解せないし、言っていることが二、三転したり、矛盾していたりすることも職人として、それを仕事とし、飯を喰っている人の意見とは思えない。
そのパン屋は店で取り扱っているパンの種類の7割がたを占めているが、それを完全に切るか、減らすかという方向へ社長を含め話が進んでいるようである。
それにさきがけ、二番目に人気のパン屋さんに今日、上の人が納品を増やせるかと尋ねたところ、「本当ですか?良いんですか?ありがとうございます」と低姿勢で受け止め、良い方向へ話が順調に進みそうである。
その様子を見ていてこれが本来の姿ではないのかと思った。
卸し屋と販売・買付屋の立場もさることだが、人間として社会人としての言動はこうあるべきだと思った。
少なくとも「今日絶対キレたるねん」と思って来たとしか思えないように、急にキレて客のいる店の中で大声で怒鳴るような大人気ない行動は間違っていると思う。しかも、数日先には社長を含め責任者と本人との話し合いの席が用意されていることは重々承知しているはずなのだから。

P.S.
今週のスピリッツまだ店頭に出ていないのですか?三軒回ったけど見つからない…。
誰に言ってんだろうw