任侠

今朝出勤すると、店の前の交差点で事故が起こっていた。
女性が運転する軽自動車が男性が乗る原付が接触したのか巻き込んだのか知らないが男性が力なく座り込んでいた。
そこに明らかにその筋の人と思われる人が数名おり、その時はその筋の人と事故ってしまったのかとさえ思っていたが、それは違い本当は前述の状況であったと見た目でもわかることになる。それは、男性が救急車で運ばれてから数十分後にイヤでも解ることとなった。

数十分後、その筋の方と解る方が店に来店し、書くものといらない髪をくれといった。流石はその筋の方という話し方ではなかったものの、風貌、タメ口から店にいたもの皆が一瞬固まったものの対応した。
それからさらに数分後、その方が見守る中、黒のベンツが交差点の真ん中に停車し、交差点への全ての侵入を止めた。
曲がり道を間違えて焦って真ん中で止まってしまったという感じではない。なぜならば、そのベンツの後ろから黒や白のベンツが何台も列を成して交差点を曲がるからだ。しかもその時の信号は赤。車の行く手には若い集たちがおそろいの特攻服のようないでたちでそのベンツを迎え入れている。
この時ばかりは時間通りに届けたくて交通法さえ守らず、煽り運転しまくりのサークル○のトラックも大人しく見ている。
その列は数分にも及ぶほど長く、何故か多く走っていたパトカーが巡回しにくるまで続いた。
しかし、パトカーが丁度来た時その列は終わり、パトカーもベンツが向かった方向とは違う過度を曲がった。
それからまた数十分後、こんどは先ほどの方が交差点の真ん中に立ち交差点への侵入を防いでいた。
どうやらお帰りらしい。また暫くそのベンツの列は続き、最後の一台に礼をして見送ったその方は暫くその辺の状況を見回った後に、ボールペンを返しに見せにきた。
「すいません、ありがとうございました」
今度は腰を低く来店したその方に逆に怖さがあった。
もう返ってこないと思っていたボールペンで一体なにをメモしていたのだろうかという疑問を持ちつつ任侠映画でしかみたことなかった光景に暫く興奮していた。
その光景は、珍走団が五月蝿く迷惑暴走し、交差点を塞ぐそれではなく、静かに走るベンツの列の威圧感はやはり凄いものがある。
余談だが、そのベンツの列が向かった場所は、店から数十メートルしか離れていない場所で、そこに組があったりする。しかも少し前に発砲事件があったりする。しかも、そのことを知ったのは昨日だったりする。
何か前の通りにベンツが数台止まることが多いなぁ、しかも高そうなスーツを着てる人がウロウロしてるよー。と思って、先輩に聞いて知ったりした。
その組自体が何系とかってことは知らないし、素人に威圧し、迷惑料をボッタくったりするかどうかは知らないが、できれば、任侠、その昔戦後の日本の街で機能しなかった警察の変わりに街を守った愚連隊から生まれた組の伝説とさえなった幾人かの総大将のように、任侠に熱いと良いなぁと思う。
まぁ、今の組はそういったことがなさげなんだよなぁ。
地元の大きな組の組長の孫が一般住宅外に家を建てようとして住民から反対運動にあったりしたが、その後のことは知らないし、その組と近くの組が関係あるかどうかも知らないが、店の近くにある組から数個通りを隔てたところに事務所だか組だかがあるが、そことはきっと傘下だろうと思う。近くに敵対する組があったら戦争ばっかりになりそうだしね。しかもその組の営業する店が繁盛してたりするw