小さな物語#3

一月二十日木曜日

 少年はよくある一日に退屈していた。朝起きて、学校へ行き、適当に教師の話を聞いて、黒板に書かれたことをノートに書き写す。十二時三十五分のチャイムがなれば、一時十分まではお弁当を食べたり、クラスメイトと話をしたり、本を読んだりして過ごし、再び教師の話を聞きながら黒板に書かれたことを書き写し、夕方になれば、家に帰り少しの間テレビを見たり本を読んだりして時間を潰し、夕食を食べ風呂に入り、再びテレビを見たりや本を読んだりして、十一時頃になれば布団に入り寝る。そして朝がくる…。そんな一日。同じことの繰り返し。大した刺激もない毎日に飽き飽きしていた。
 しかし、今日は一つだけ違った気がした。
 黄昏ているか、考え事をしているのか解らないが、前から気になっていた教師が窓の外を眺めながら疲れた眼で遠くを眺めていた。
 週末ともなれば誰もが疲れているものだ。しかし、まだ木曜日。週末と呼ぶにはまだ早い。少年は、
「頑張らなくてもいいのに…。」
 そんなことを思いながら教師の姿を後ろにした。