もしも

あの時僕は寝ぼけていて、仕事に疲れていて、だけれど側にいるきみを愛しく思っていたことに嘘はなく、以前のように一緒にいたいと思っていた。
だからって言ってもおかしな話だけれどこうなった。
罪を認め、非を認め、認知するし、罪を逃れようとするわけじゃない。
歴史にもしもなんてことはないと人はいう。だけど今の時点でまだ解らないことだから“もしも”と仮定して話をしよう。
もしも、本当にそうなったとしたら僕たちはやむを得ずすることになる。
その事は僕たちにとってとっても重要なことで、お互いにとても重たいこと。
僕たちは一生罪を背負って生きていかねばならない。
何もかも忘れて生きていくことも重要かもしれないけれど、少なくとも僕はこれからも続くドラマの中でそれを忘れることは、また同じ事をしてしまいそうで不安なんだ。
だから僕は一生罪を背負って生きていくことにする。
これからも続くドラマの中で新しい出逢いや別れを繰り返していくなかで、その罪を望んで生まれた愛に注ぐことを誓う。
もしも、今の不安が取越苦労だったとしても、胸を撫で下ろすだけで終わらせず、実際に感じたその重みを忘れることなくこれからも続くドラマに活かせなければならないと考える。
言葉見つからず同じ事を何度も言う僕だけれど、僕は新しい声が聞こえる前に口を塞がないと今よりもずっと重い気持ちになりしばらく立ち直れそうにもないよ。
今までのドラマのなかでこれほど問題がなかったから正直どうしたらよいのかも解らないけれど、結局することはやむをえないこと。
悲しいほど自分が酷くイヤになる、人に相談することも生き恥晒すような気もするし、相談できる相手もいない。
ただ僕たちの愛は本物だったのかどうだったのか確かめることは今更どうでもよい気がする。
どうだったにしろ結果が判った時僕たちは次の選択肢を選ばなくてはならない。