卑屈、声だけでも聴けたら元気でる。

俺は癇癪持ちであり、ちょっとした一言で大声を張り上げる。
かと思えば、同じ言葉を同じシチュエーションで言われても、笑い飛ばして突っ走ったりもする。

そして、とても臆病で卑屈になってばかり。
弱気な癖に弱気に強く、強気に弱く、長いものに逆らったりもする。

それは一人でいることがすごく楽だと感じているのに、一人にしないでと都合の良い時に構って欲しいとも願っている。

とてもやらしい人間で、好きなモノを全て自分だけのものにしたい。
なのに、手に入れると満足し、その大切さを忘れてしまう。

独り残された後にその大切さに気づき、涙し、意味のない怒りを抱く。
その後も寂しさと切なさをチープなモノに求め、我に返って落胆し、ひどく自分が嫌になる。

それなのに、エロ動画をせっせと集め、ファイリングし、一気に捨てることに快感すら覚える変態でもある。
その性質はストーカーの如く、執着心が強く、嫉妬し怒り、殺意さえ芽生えそうになる時もある。
そのジェラシーは癇癪の如く一気に溢れ出し、背中が暑くなり腰の方から瞬時に汗が湧き出てくる。

そんな自分が酷く嫌でイヤで殴り倒したい、蹴り上げたい、ボコボコにしたい。
やるせなさを大声を上げて吹き飛ばしたい。

抱きしめて離さない。
身体が裂けてしまうほど強く抱きしめる。
新しい恋人ができるまで僕はずっとこんな思いを抱き続けて行くのです。
暴れ出しそうな欲望を抑えるのではなく、とりあえず別のことに注意を向けて、一人オナニーをしていくのです。

その間に何度も何度も射精し、意味のない嫉妬をし、想像し嫌になり嘔吐し、そんな自分を美化し、説教するのです。
そんな自分に酔って、鏡を見て我に返り、またそれを吐くのです。

無理矢理に押さえつけて口をふさぎ突き上げるのです。
そのくせ、どうして欲しいのかを聞くだけ訊くんです。いつものことです。
それをしたことがあるわけではないのだけれど、大抵ワンパターンなのです。想像つきます。

だから、愛しているというのです。
ただ単に好きなのでしょう。
いやいや、依存しているのかもしれません。

叱られたいとは思っておらず、慰めて欲しいと思っているのです。
だから駄目なんでしょう。
早く大人にならないといけないのです。

だけど私はまた今夜もオナニーをするのでしょう。
こんな気分の時に自慰をすると気持ちいいんです。
その後にこみ上げてくる切なさと儚さと虚しさに心が空になり、何もない心は穴があいているようで、その奥に大声で罵声を飛ばすのです。
そしてその時に沸きだした熱が冷めたと同時に死にたくなるのです。

だけど死ぬ勇気はなく、生きる勇気の方が簡単に得ることが出来るのだと悟るのです。
そして何もない空っぽの心で空っぽの一日を過ごしオナニーをして寝るのです。

声だけでも聴けたら元気でる。
そう思い電話し、相手の心ない返事と何気ない一言で癇癪を起こすのです。
だけど電話は切りたくはなくいつまでも話つづけていたいのです。
そして電話を切った後にどうして大声をだしてしまったのかとまた自己嫌悪に陥り、とりあえずオナニーするのです。

そして今日もゴミ箱から黄色く変色し固まったティッシュが臭いと共にこぼれ落ちるのです。