事件・事故

今日も店の前の交差点で事故が起こった。
スクーターが車に跳ねられたようである。事故の詳しい状況は解らないが、休憩中だった俺をスタッフの一人が男だからということで現場へ向かわせた。
交差点の真ん中で転がっているスクーターを隅へ寄せるためである。
しかし、実際に動かしていると、何もしない野次馬の数人が「動かしたらいかん」なんて馬鹿げたことをぬかしてきた。
俺は、事件じゃないんだから邪魔なものは除けても問題ないと反論した。
しかし彼らは現場検証が済むまで動かしたらいけないと繰り返す。

教習所で言われたことを思い出した。
「交通事故を起した時に、邪魔になると思ったら車を邪魔にならないところへ移動させなさい。
札時事件などの事件の場合は、証拠品や遺留品などを見るために現場を保存しなければならないけれど、交通事故は保存する必要は無い。
時に現場を保存しないといけないと思っている人も多いようだけれど、それは間違いで、そこが渋滞して救急車がこれなかったら意味がない」
その話を思い出して少し可笑しかった。こいつらはテレビドラマの見すぎの馬鹿共なんだなと、可笑しかった。
人の上げ足を取って喜んでいる何もせずに見ているだけの野次馬でもは無視したのだが、その野次馬の野次にビビッた車の運転手は交差点の真ん中に車を止めたまま「救急車が遅い」なんて愚痴っている。
お前が交差点の真ん中に車なんか止めてるから渋滞してるんだろうが、そりゃ救急車も平均6分でくるとされているのに遅れるわ馬鹿。

ようやくやってきた救急隊員に後を任せて、俺は再び休憩に戻った。
今にして思えば、ちゃんと怪我をしいたスクーターのじいちゃんの世話をしとけばよかったと思う。
意識の確認や名前と住所の確認、薬の服用や、薬のアレルギー何かも聞いとけばもっとスムーズに救急隊員の人たちが作業できただろうに。
内臓破裂の恐れがあると判断して下手に動かせずにいたからなぁ。少なくとも救急車がくるまで励ますことはもっと出来たはずだしなぁ。

まぁ、後でそのじいちゃんが松葉杖をつきながらではあったが、バイクの様子を見に来ていたのを店から見たのだが、命に別状はないようでよかった。