純愛

昨日のこと。隣の家の庭に巣を作っていた鳩の巣からヒナが家の家に落ちてきた。
卵があるとおもったのか、鳩の巣にヘビが不法侵入してきたからだ。
ヒナが二羽ほどいたそうで、ヘビにしては大きすぎたヒナを一羽、途中まで食べようとし、逃がしてしまったようで、下に落ちて死んでしまっていた。
もう一羽のヒナは驚いてまだろくに飛べもしないのに必死に羽ばたき命からがら家の家に逃げてきた。
その一部始終を隣の家のおんちゃんが見ていたのだという。
初めは、家にあったハムスター用の籠に入れておいたのだが、なんせ昨夜から台風の影響で雨風があり、家の中に入れることにいした。
すると今朝、家の家の物干し台のところに鳩がとまっていた。どうやら、ヒナの親鳥のようで、窓が閉まり、カーテンもしまっているにも関わらずヒナは親鳥のいるほうへと必死に羽ばたき、鳴く。
また、何も食べないでいるのは惨いだろうと餌を与えるも、人間に驚き、パニックにヒナがなると親鳥が飛んでくるというなんとも不思議な光景がそこにはあった。
それは、中学時代に友人と行った湖で泳いでいた鴨の番にたまたま近づくことができたので、更に近づこうとした時に逃げ遅れた雌鳥が必死で鳴くと素早く雄鶏が飛んできたことを思い出させ、そこにある純愛に心洗われた。
それにしても鳥というものは耳が凄くいいのだろうか。
窓もカーテンも閉まった部屋の小さな鳴き声に敏感に反応することが出来るのだから。それともそれは愛のなせる行動なのか。
どちらにしろ、早く台風が過ぎ去り、再び親子で過ごす大切な時間がくることが望まれる。そこにはもうヒナの兄弟の姿はなく、まだろくに飛べないヒナにとってはとても厳しい状況が待っていると思われるが、生きたいと鳴くその掠れた声が何時の日かパートナーと愛を歌い、親鳥となりヒナに聞かせる子守唄を歌える日がくることを願う。