火葬

 午前十時過ぎ頃、ちーちゃんを火葬するために、家族で出かけた。霊山となりはてた園山の頂上辺りにペット霊園があり、そこにお願いした。
 最後の別れの時、触ったが、そこには生はなく、死の冷たさしかなかった。
 スイッチを入れられ、一気に炎がちーちゃんを包み込む音が、もうちーちゃんが戻ってくる体は何処にもなくなってしまったのだということを感じさせた。
 1時間ほど炎に包まれたちーちゃんは、細く小さな骨だけになり、その高温によって、乗せられた台と同化していた。その骨をカリカリとのけるおじさんのデリカシーの無さが妙に清清しくさえ思えた。
 骨納されたちーちゃんを7日ほど祭っておくという場所へ移動したら、不動明王みたいな木彫りの像が俺に喧嘩を売っていた。
 帰宅後、誰もが何だか一気に疲れがでたのか、誰も何時ものようには動かなかった。俺も、何だか下半身が重く、眠気にも襲われる。そして、生を感じたいと強く想い、生を感じたいと強く願った。