音楽のチカラを武器にするアメリカ軍

 今日の産経新聞によると、


 イラクファルージャで戦闘中の米兵が、軍用車などから「メタリカ」や「AC/DC」といったヘヴィ・メタル・バンドの楽曲を大音響で鳴らし、イラク兵に精神的な苦痛を与えるという心理作戦を展開している。

 と報じていた。

 自分は音楽には途轍もないチカラを秘めていると実感する。それは音楽の好みは千差万別であろうともその誰しもが感じているのではないだろうか。
 最近では、野菜にクラシック音楽を聴かせて育てると糖度が高い野菜が育つと言う結果がでたり、波の音や川のせせらぎを聴くことによってリラックス効果を歌ったヒーリングCDが流行ったのは記憶に新しいことだ。更に言えば、気分が低いような時、そんな時にポップミュージックや、ロックなどの音楽などを聴くと多少なりとも気分が高まるのではないだろうか。
 そういった音楽の特性を利用したのが行進曲として、古くから軍隊などでも利用されてきた。そして、今回、アメリカ軍では文化の違いということも上手く利用して、ファルージャ掃討作戦にヘヴィ・メタ音楽を利用した。

 果たしてこれはどうなのか。
 世界のどこかで戦争が起こると反戦を唱える者が現れ、メディアではそれを支持したり、否定したりする内容の報道がされる。そして、反戦を支持する場合放送局からは反戦歌が流れることがる。その代表曲ともされるのが、ジョン・レノン氏の『Imagine』だ。但し、アメリカが戦争に参加する場合は放送禁止される曲の代表曲ともなる。9.11の同時多発テロ以降、報復戦争に燃えるアメリカのニューヨークで『Imagine』が再び放送禁止にされたことは記憶に新しい。誰が述べたのかは忘れてしまったが、『imagine』は“反戦”という言葉を一言も使わずに唄った“反戦歌”だと褒めていた一文を読んだことがある。
 自分は音楽には途轍もないチカラを秘めている文学であり、芸術だと考えている。その一方でミュージシャンをアーティストと呼ぶ日本人には『?』が出るが今回に限っては音楽家を芸術家のとして考えこう思う。
 これは芸術家に対しての冒涜ではないかと。
 産経新聞が伝えることによるとファルージャで使用されている曲は米だけで約二千万枚を売った豪州出身の大物メタルバンド、AC/DCのアルバム「バック・イン・ブラック」や一九六〇年代から八〇年代に活躍したハード・ロック・バンドの楽曲もひんぱんに流されるという。
 自分が好んで良く聴くパンクロックバンドは揃って反戦歌と言われる曲を歌っているが、ファルージャで使用されている音楽の作者たちが戦争に対してどういう考えをもっているかはしらないが、自分はこのアメリカ軍の秘密兵器は作者への冒涜と思えてしかたない。
 これから、巷ではクリスマスソングが流れ始める時期である。その中にジョン・レノンの『Happy Xmas』がある。そのサブタイトルは“War is Over”である。この曲が反戦歌として人々に受け止められるだろうか。


自分が唯一持っているジョン・レノンのCD。有名な『Imagine』、『Happy Xmas(War is Over)』などの楽曲が殆ど収録されており満足の一枚。

 あらゆる人が今までにジョン・レノンの『イマジン』をカバーしてきたが、自分はこのARB石橋凌さんのカバーしたイマジンが一番好きだ。また、このシングルは画家の黒田征太郎氏が進めていた『忘れてはイケナイ物語』コラボレーション作品として多少話題になった一枚。