小さな物語#2

一月十九日水曜日

 少年は眼鏡を忘れて黒板に書かれた文字が読み取れなかった。トイレに行って鏡を見てもニキビが白くなり、今にも潰れそうになっていることにも気がつかないくらいに眼鏡がないと不自由なのに眼鏡を忘れてしまった今日を最悪な日だと思っていた。掃除道具を片付ける為にL.L.教室に向かったときに鍵を閉める為に待っていた眞子の顔すらボヤけて見えなかったことを悔しがった。家に帰り眼鏡をかけて何気なく覗いた鏡に映った自分の右頬のニキビが白く今にも潰れそうなことに肩を落としていた。